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自由にアイディアを発想できないなら…「理想再設計法」のすすめ

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自由にアイディアを発想できないなら…

「理想再設計法」のすすめ

解決策が必要な場面は沢山あるが、なかなかいろんな条件に縛られてしまって、解決策を自由に考えられないという人はいると思う。

そこでこの記事では、かなり自由な発想で解決策を考えられるようにする「理想再設計法」という考え方を紹介していく。

創造的な解決策を考えたい、独創的で、かつ、ちゃんと問題解決につながるようなアイディアを生み出したいと思っている人に参考になる記事だと思う。

ルールに縛られて発想できないという問題

解決策のアイディアが浮かばない。

浮かんだとしても「ありきたり」な解決策になってしまう。

そのように悩んでしまう人は、解決策を考えるときのルール(制約)が多くて、それに縛られてしまって発想しにくくなっている可能性が高い。

例えば牛丼に卵を落とすと、ご飯は箸で掬いづらくなる。このような状況では、箸で食べるよりスプーンを使って食べた方が牛丼は食べやすい。しかし人はなぜか、箸でうまく食べる方法を試行錯誤してしまったりする。

このように、解決策を考えるときのルールを勝手に作ってしまい、それに発想が邪魔されてしまっているという時がよくある。

この例では「牛丼は箸で食べる」という制約が無意識的に生まれていて、そのせいで解決策を考えるのが難しくなってしまっている。

自由な発想を可能にする「理想再設計法」

では、制約に苦しめられずアイディアを発想していくにはどうすれば良いのか。

それには「理想再設計法」という考え方が有効だ。この手法は、自分が思い込んでいる「解決策を考えるときのルール」=「制約」を全て取っ払い、完全に「制約」から解き放たれた状態で解決策の発想を試みる考え方である。R.L.エイコフ(村越稔弘・妹尾堅一郎訳)「想像する経営」では、理想再設計法について、以下のように説明している。

理想再設計法は、システムを取り込む環境は何の変化もないがシステムそのものは前の晩に消失した、という前提の下に進められる。この前提を置くことによって、自ら思い込んでいる制約を取り除くことができるのである。消失したと仮定したシステムを現時点でどのようなシステムに置き換えるか、つまり、設計者が完全に自由な発想でシステムを考えたらどうなるかを、理想再設計のアウトプットは示すのである。

(R.L.エイコフ 村越稔弘・妹尾堅一郎訳 「想像する経営」より抜粋)

ちょっと説明が難しいが要は、考えるべき課題はそのままに、

「自分の会社の強みはココだから、ココを活かして考えないと」とか、

「ランドスケープって建築の分野っぽいから、建築学の視点で考えきゃ」みたいな、

自分が課題を考えるときの条件のようなものを一切気にせずに、解決策を考えてみるという手法である。

課題を考えるために立っていたシステムは消滅してしまったと仮定して、それに変わる新しいシステムを自分で一から考えてみるという視点が面白い。

自分が考えないといけない課題、つまり乗り越えないといけない壁だけを考えて、それを解決できるシステムや解決策を、これまで誰が何をしてきたのかとかを知らない状態で考えたらどうなるかを、自由に発想してみる。その視点に立つだけで、卵をかけた牛丼は「スプーンで食えばいいじゃん」と気付けるようになる。

理想設計法を具体例で説明

海洋ゴミ問題というテーマで考えてみる

海洋中のゴミの回収が難しいという課題があったとき、そもそも現存する海洋ゴミの「回収システム」が昨晩なくなってしまったと仮定したら、どう海洋ゴミ問題を解決するかを考えるとか。

伝統保護というテーマで考える

伝統工芸品の作り方を後継していく人材がいないという課題があったとき、数人の後継者に作り方を引き継ぐという後継の仕方(システム)が世界から無くなったなら、どう伝統工芸品の文化を守っていくかを考えてみるとか。

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まとめ

このように、普通は当たり前に考えてしまうような制約を全て取っ払って、課題に対して直接的な解決策を考えてみることで、独創的で問題解決につながるような解決策が発想できることがある。

理想再設計法は、課題はそのままにその課題を考えるときの制約を全て取っ払ってしまうという大胆な発想法だが、一度この方法で考えてみると、自分が縛られていた「解決策を考えるときのルール」=「制約」に自覚できるという点も良いポイントだろう。

解決策を考える時には、なるべく自分がどんな制約のもとで解決策を考えているのか、それに自覚的になれるだけで、考えやすくなったりする。ぜひ、試してみてほしい。

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