AO FILE は、AO入試のチャンスを全ての人に届けるためのwebサービスです。
現在、大学入試における44.3%はAO/推薦入試によって入学者が決まっています。AO入試はその人が人生において獲得した「これを学びたい!」という熱意を含めた、学力試験だけでは測れない要素を総合評価する入試制度です。その背景には、産業構造の変化と技術発展により社会に求められる人物像の変化があり、今後ますますAO入試の重要性や人気は高まっていくでしょう。
他方で、AO入試に挑戦したい!と思っても「何をしたらいいの?」とつまづいてしまう人が多いことが現状です。AO入試のためにそもそも勉強なんて必要なの?志望理由書って何をかくの?それらを独自で学ぶことは難しく、結果的にAO入試とはスポーツや文化芸術などの点で秀でていたり、何かしらの特殊な経歴や特技がなければ挑戦できないものであると捉えられてしまっています。しかし、それでは学力という指標からスポーツや何かしらの特技に評価指標が変わっただけであり、Admission policy(入学受入方針)によって評価を行う入試になりません。つまり、本来AO入試とは、「この大学で学びたい!」という想いさえあれば、誰でも挑戦できる誰にでもチャンスがある入試であるはずです。
AO入試も教育制度の一貫です。しかし2020年の教育改革に現れているように、教育のあり方とは日々変化していくものです。社会において活躍する人材を排出することが教育の1つの目的であったときに、自ずとその評価指標も変化するわけですが、それを表した1つの制度がAO入試なわけです。しかし現在、新しい時代に合わせた人材を育成する方法を知っている人は多くはありません。なぜなら、既存の一般入学試験制度で育成してきた教育のあり方とは根本的に異なるものだからです。その結果、知る人ぞ知る入試、それがAO入試になってしまっています。勉強したい人が勉強できない、この現状は、教育の本来あるべき姿ではないと考えています。
我々はこれまで、AO入試に深く関わっていく中で、誰にでも開かれた教育の必要性を感じてきました。このことはSDGs4項に「安価で質の高い大学を含む高等教育への平等なアクセスを得られるようにする。」という内容に合致します。しかし現在の日本では、出身階層や地域などの生まれという初期条件によって現実的に検討できる選択肢の範囲が狭められてしまっている現状があります。かのジョン・ロールズがいうように人間の間に能力や才能に関して生まれつきの差があることは仕方がない側面もあるでしょう。ですが、それに対して「平等」なアクセスが担保されていないことは民主主義の理念に反しているのではないでしょうか。
私たちは日本において、「誰もが平等に質の高い教育へ自由にアクセスできるように」という想いからこのサービスを作っています。その上で、子供たちがみな「良い進路」に向けて自分で考え、創造できる、そんな社会になることを願っています。