問題に苦しんでいる人を可視化する問題発見手法「ステークホルダーマッピング」とは

問題に苦しんでいる人を可視化する問題発見手法「ステークホルダーマッピング」とは

問題に苦しんでいる人を可視化する

問題発見手法「ステークホルダーマッピング」

この記事では、問題解決を図ろうとするテーマ(LGBT、再生可能エネルギー、経済格差のような、課題領域の区分)は決まっているけれど、具体的に解決すべき問題を見つけられていない人へ向けて、問題発見を可能にする一つの分析手法「ステークホルダーマッピング」を紹介する。

ステークホルダーマッピングとは何か

問題発見を可能にするステークホルダーマッピングとは、

あるテーマにどのようなアクター(登場人物)が関わりあっているのかを整理する分析手法である。

本来この分析手法は企業がプロジェクトを進行していくときに、関わりあう人々(利害関係者)を整理したり、プロジェクトを成功させるために足りないメンバーを認識したりするために用いられる。

この分析手法は問題発見にも有効なため、この記事ではステークホルダーマッピングを問題発見版に応用したものを紹介する。

ステークホルダーマッピングが問題発見に有効な理由

ステークホルダーマッピングが問題発見に有効な理由は、

「誰が何に苦しめられているのか」を認識できることにある。

誰も苦しむ存在がいないのであれば、あるいは今後も苦しむ存在や、被害が発生しないと予測されるのであれば、その現状は「あるべき姿」に限りなく近い。もう改善するところがないほどに、現状は理想的と言えるのではないだろうか。

苦しんでいる存在がいたり、何らかの被害が発生するからこそ、そこには「問題」が存在すると言える。だからこそステークホルダーマッピングを通し「誰が何に苦しめられているのか」を理解することで、解決すべき問題を発見できる確率を高めることが可能となる。

どのようにステークホルダーマッピングをするのか

ステークホルダーマッピングの方法に関しては、以下の過程を参考にして見てほしい。

1:アクター(登場人物)を列挙する

まずは自分のテーマに関わっているアクター(登場人物)を、思いつく限り上げていく。

アクターは「政府」「企業」「国連」などの諸機関や団体でも構わない。あるいは「高齢者」や「お母さんたち」のような、社会区分や個人でも問題ない。

アクターがパッと思い浮かばないのであれば、自分が考えたいテーマに関する知識が足りなすぎている。そういう人はまず「ファーストリサーチ」をすることをお勧めする。

ファーストリサーチ とは何か、そのやり方などは「調べ学習を始めるなら『ファーストリサーチ 』のすすめ」を参考にして見てほしい。

2:アクターの関係性を線で結ぶ

次にそれぞれのアクターの関係性を考えて、アクター同士を線などで結んでいく。ここまで行うと、アクター同士の関係性やアクターごとの影響力などが可視化されてくる。

3:関係図を見ながら誰が苦しんでいるかを考察

出来上がった関係図を見ながら、誰が何に苦しんでいるのかを考察する。

4:その被害を生んでいる主要因を特定する

そしてその被害が、どのような関係の中で生まれているのかを分析する。その被害を生んでいる主要因(根源)がどこにあるかを観察し、それを解決すべき「問題」として設定してみる。

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教育格差でステークホルダーマッピングを考えてみる

教育格差というテーマでステークホルダーマッピングを考えてみよう。

わかりやすくするために、かなり簡略化して図を書いてしまったので、実際にやるときはもっと多くのアクターを考慮して図を描いて見てほしい。

例えば「生徒」も、本当はもっと分割して考えていくことができる。「高校」も私立と公立で状況も違うだろう。「先生」にも、ゆとりのある人とない人がいるかもしれない。

今回のケースでは被害は「学校についていけず、塾に通えない生徒」に及ぼされている。この子たちは学校の先生にも助けてもらえず、塾に入ることもできずに、自分が学校の学びについて行けないという状況を解決できずにいるということが見えてくる。

そのような場合では、教育支援を受けて行く必要に駆られる。しかし教育支援を受けられるか否かに、塾に入れないという経済的格差を要因とする教育格差が発生している。

この現状を生んでいる問題は、教師のゆとりがなさすぎることにあるのかもしれないし、教育支援を学習塾に頼りすぎている「支援形態のあり方」に問題があるのかもしれない。また文科省の設定する「学習指導要領」に問題がある可能性もある。

このように、誰が関わり合っているか、そのアクター同士の関係性がどうなっているかを観察することで、問題発見の分析が進んでいくケースがある。

 

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まとめ

ステークホルダーマッピングを用いた問題発見の分析手法を紹介した。

基本的に問題解決は「救うべき対象」が明確にイメージされるだけで、加速度的に進んで行くことがよくある。ただ単純に、誰が苦しんでいるのかを理解できていないから問題が発見できていない、という可能性は十分に高い。

ステークホルダーマッピングをすることで、被害がどこに及んでいるか、誰が苦しんでいるのか、誰のために問題解決を考えないといけないのかを理解しよう。

AO FILEでは問題発見の分析手法を他にも紹介しているので、

ぜひ自分に合う分析手法を見つけてみてほしい。

・その他の問題発見手法はここから

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