「立憲主義」
って何?
立憲主義って、なんだか聞いたことはあるけど、少しあやふや、、、なんとなくはわかるけど、、という方が多いのではないでしょうか。
そんな方のために、本記事では立憲主義の基礎をわかりやすく丁寧に解説していきます!
立憲主義とは何か
立憲主義とは、一言でまとめてしまえば、”政治(統治)が憲法に基づいて行われなければならない”という考え方を指します。
広辞苑の定義には、以下のようにあります。
憲法を制定し、それに従って統治するという政治の在り方。この場合の憲法とは、人権の保障を宣言し、権力分立を原理とする統治機構を定めた憲法を指し、そうでない場合には、外見的立憲主義という。
広辞苑
したがって、立憲主義は以下の特徴を持つものになります。
・憲法に基づいて政治が行われること
・憲法によって人権が保障されること
・人権保障を行うために権力分立(基本的には三権分立)が行われること。
また、ここでいう外見的立憲主義とは、憲法自体はあるものの、実質的には権利保障や三権分立がなされていない状態を指します。例えば、戦前日本の大日本帝国憲法や、現代中国共産党の統治形態を指します。
したがって、一般的に「立憲主義」とは人権を保障するための憲法が存在し、その実行のために三権分立がなされた状態を指します。
ここで注意したいのは、ただ立憲主義、と聞くと、憲法に即した政治や統治ということがイメージしがちですが、実はここには、「人権の保障」と「三権分立」という意味合いも含まれるという点です。このような立憲主義を特に近代立憲主義思想と言います
[adchord]憲法とは何か
法律と憲法って何が違うの?
憲法は「法」ではありますが、法律ではありません。では法律と憲法は何が違うのでしょうか。
一般的に、「憲法とは国家を縛るもの」法律は「国民を縛るもの」というように説明されます。
憲法は国民によって制定されたものである
憲法自体が国民を守るための人権を保障したものです。憲法の目的は、権力の暴走などによって国民がその基本的人権を虐げられることがないようにすることです。これは戦前などに見られたヒトラーによるユダヤ人虐殺や、第二次世界大戦期の日本などのように、プロパガンダによる全体主義による暴走の反省を受けています。
だからこそ、憲法は国民のために、国民の人権を最大限尊重しなければなりません。制定されたものであり、国民が作ったものであるという考えかたに基づいています。したがって、国民によって制定された憲法だからこそ、憲法を変えるためには国民投票が必要なのです。法律の場合には国会の議決によって制定されるため、その点は大きく異なります。
国家の最高法規である
憲法はあらゆる法律や命令の上位にある最高の規程であるということです。世の中には、法律のみならず多くのルールがあります。学校には髪を染めてはいけないといった規則や、列があったら割り込んではいけないといった社会規範などです。しかし、これらのルールは必ず憲法の下で行われねばならず、もしそれらの法律が憲法に違反していた場合には、それらを否定することもできるのです。
なぜこのような規定があるかといえば、ヒトラーの暴走などに見られるように、法律は間違うことがありますし、政治も失敗することがあります。ナチスドイツ下において制定されたニュンベルク法は、ユダヤ人を迫害するといった彼らの公民権を著しく損なうものでしたが、法律として制定されてしまいました。今考えれば、この歴史は残虐悲惨な出来事として我々は理解できますが、当時はこの法律に対して抗う術を持った人はいませんでした。しかし、立憲主義に基づいた国であれば、もし政治や法律が憲法に違反している、と判断すれば、立憲主義に基づいて自己の正統性を主張できます。例えば、そのような抵抗を示すための制度として、法律・命令・規則または処分が憲法に適合するかしないかを裁判所が判断するという違憲立法審査制度があるのです。
立憲主義と公私二分論
近代立憲主義において、抑えて置かなければならないのが公私二分論の原則です。憲法とは、個人の権利を最大限尊重しなければならないと言いました。
しかし、個人の権利であればなんでも認めて良いというわけではありあません。例えば、表現の自由だからといって、夜中に近所迷惑を顧みず、ギターを大音量で引く事は認められていません。
このように、個人の権利は最大限尊重されるものの、社会秩序を守るためには一定程度、個人の自由を制限しなければならない場合もあるでしょう。しかし、どこまでが私的領域であり、どこからが公的領域なのかを厳密に決める事はできません。
公私二分論とは
公私二分論は、「社会の空間を「公」の空間と「私」の空間に分けよう!」という考え方です。そして、公の領域においては、社会の秩序といった全体の利益を考えて、自分たちの自由を制限されなければなりません。一方で、「私」の領域においては、他人の人権などを侵害しなければ、自由に何をやって生きても良い、という考え方を指します。
具体例で考えて見ましょう。
先の、家でバンドをする青年について考えてみます。
彼は、家でバンドの練習をしたいと思えば、どんな歌や楽曲であっても自由に練習することが許されます。例えそれがどんな反社会的な曲であったとしても、それらを自分で練習することや、楽曲を作る事は、思想良心の自由、表現の自由において守られているため、それが不当に制限される事はありません。
一方で、その楽曲において、例えば個人名を誹謗中傷したり、プライベートな内容を暴露する事は許されません。なぜかというと、それは公共の福祉に反するからです。公共の福祉とは、人権相互の矛盾・衝突を調整するための実質的公平の原理と説明されます。噛み砕いていれば、個人名を中傷する表現の自由と、プライバシーが勝手に暴露されない権利同士が衝突した時に、それらを調整されなければならないからです。
しかしながら、どこまでの領域が、個人の領域として認められ自由に生きてよい「私」的領域であり、どこまでが全体の利益を考えて制約を受けなければならない「公」的な領域なのかを線引きするのはそう簡単ではないのです。
公使二元論の理解を深める判例/テキサス州法LGBT禁止法
例えば、2003年6月には、アメリカの連邦最高裁判所は、テキサス州法におけるLGBT禁止法に対して、プライバシー権に反するとして違憲判決を出しました。
この事は、合意した大人同士の恋愛事情に対して、LGBTを受け入れられないという社会的道徳が抑圧する事は許されないという立憲主義の原則を示します。公私二分論の、私の領域では自分の好きなように自律して選択して生きることが許されている近代立憲主義において、プライベート空間における恋愛事情が禁止されているのはおかしい、とされたわけです。この事例は、公の領域の制約が、私的領域の自由を犯してしまっていた事例となります。
しかし、LGBTのような性的少数派は社会において認められるようになっているものの、例えば一夫多妻制や不倫などを主張する人の意見にあなたは賛成するでしょうか?多くの人は反対の意を示すかもしれません。しかし、幸福追求権やプライバシー権を下にこのような主張を吟味すると、これらの主張を一概に反対する事は難しいのではないでしょうか。
このような判例は、「表現の自由 判例」「幸福追求権 判例」などと検索するとたくさんできてきますので、興味のある方はこれらの学びまで深められるとさらに憲法の面白さに気付けるかもしれません!
[adchord]○まとめ
近代立憲主義とは、私的、公的領域で個人が自由に行動することを尊重するものです。そして基本的人権を最大限国家が保障しなければなりません。そのために三権分立といった権力分立を原則とします。一方で、公的領域における秩序維持や公共の福祉に基づいて、自由をどこまで認めるかというのは、公的領域をどこまでと判断するのか、策定するのかは一概にいう事はできず、その線引きは大変難しいです。
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