「ずっとやりたかったこと」を志望理由のテーマにする方法

「ずっとやりたかったこと」を志望理由のテーマにする方法

 もし総合型選抜の受験までにある程度の時間(目安は半年以上の時間)があるのであれば、あなたは自分がずっとやりたいと思っていたことだけを考えて志望理由のテーマを決めることができるかもしれない。

僕は小学生のとき、自然と共存するツリーハウスが好きで、ツリーハウスの絵ばかり描いているような子だった。当時は「大きくなったらツリーハウスを作れる建築士になりたい」と、純粋に夢を抱いていた。しかし中高時代の忙しい日々に追われる中で、心の奥底が語りかけてくる小さな声に耳をすましてこなかった僕は、大学受験を終えてからその夢を思い出した。そして気づいた頃にはもう、僕には別の道が広がっていた。もし高校生のときに、この記事で紹介する自己分析方法に出会っていたら僕は、ツリーハウスを建てられる建築家を目指して勉強を始めていたかもしれない。

 時間と努力はトレードオフ(一方を行うと一方を失う)の関係にある。時間がないのであれば努力する期間はなく、逆に時間を消費すれば努力ができる。だからこそ時間が許すのであれば、今の自分には難しいと思えることも、勉強して達成可能性を高めることができる。

 この記事では、自分自身がある目標を達成するのに向いているかどうかは気にせずに、自分自身が心から達成を願う夢や目標に早めに気付き、それを達成するために早めから努力を始めることで自分自身の適性を補うという「やりたいこと先行アプローチ」で志望理由のテーマを定める方法を紹介する。

 受験まで半年未満しかない場合、文理の選択をしていたり自分が無意識的に苦手科目を避けてしまっていたりするなかで、本当はやりたかったことに向けて適性を上げて行くというアプローチを取るのは難しい。だからこそ自分に向いていることと自分のやりたいことの折り合いをつけながら、志望理由のテーマを定めるアプローチがする人が多いが、高校1年生や高校2年生であるなら話は別となる。自分のやりたいことを先行させ、目標に合わせて後から努力をするというアプローチでも受験に間に合うケースがある。

「いくつになっても、『ずっとやりたかったこと』をやりなさい。」を参考に

 その具体的な方法は、ジュリア・キャメロン/エマ・ライブリー著 菅靖彦 訳「いくつになっても、『ずっとやりたかったこと』をやりなさい。」が教えてくれる。

本書は、人生の目的を失ってしまった定年退職後のシニア世代へ向けて第2のキャリアをどうスタートさせるかを書いた本であり、人の創造性を呼び起こす4つのワークを紹介する中で、自分自身が本当にやりたかったことに気づかせようとする内容が紹介されている。

 本書では、夢や目標というものは誰もが持ち合わせる創造性から生まれ、その創造性を解放して行くことで、実はずっとやりたいと思っていたことに誰もが気付けるという主張がされていて、夢や目標というものは、ごく少数の限られた人間たちだけに偶然与えられるものではなく、考え方を変えれば誰でも発見可能であることに気付かされる点が非常に興味深い。

そんな本書で紹介されていて、総合型選抜にも利用可能なワークを2つほど紹介する。

アーティスト・デート

まず一つ目の方法は「アーティスト・デート」である。本書ではアーティストデートについて以下のように説明がされている。

「自分にできそうな10の冒険のリストをつくり、1週間に1度、1つずつそれをこなしていく。リストに挙げたことをしてもいいし、その週の間に浮かんできたことをしてもいい。アーティスト・デートはあなただけのためにあり、あなただけを喜ばせるものを探求する。1週間に一度、1時間を確保し、大切な誰かと会うかのようにアーティスト・デートをスケジュールに組み込もう。安易にキャンセルせず、他人と一緒に行かないこと。これは”あなたの内なるアーティスト”とのデートである。」

 基本的に何かを「好き」だと感じる感情や、自分に「向いている」と思う感覚、それに何かを「やりたい」と思える志は、これまで体感してきた「経験」が先で「感覚」が後という関係性にある。つまり体験したことがなかったり、自分の知らないことは、やりたいと思えることすらできない。だからこそ体験数をアーティスト・デートによって強制的に増加させることで、自分がやりたいことを発見できる可能性を向上させていくことが可能になる。

 アーティスト・デートは、1週間に1度、1時間、自分1人でやってみたいことを体験する機会を創出する。散歩ほどのことでも、本を読むでも、どこかに思い切って旅してみても、知らない駅で降りるでも、何か新しいことを勉強してみるでもいい。自分自身がやりたいと思ったことを試す習慣をつけることで、自分がやり続けたいと思うことが見つかる可能性がある。

メモワール

二つ目の方法は「メモワール」である。本書ではメモワールについて以下のように説明がされている。

「メモワール」は自分を築き上げていく1週間に一度のエクササイズである。あなたは自分の人生をいくつかのセクションに分ける。大雑把にいうと、年齢を十二に分ける。これはあなたが毎週カバーする都市の数である。手早くメモした質問のリストに毎週答えることによって生き生きとした記憶が蘇り、失った夢を発見し、あなたは予期せぬ癒しや明晰さを見出すだろう。」

自分自身の人生を数年分ごとにセクションに分け、毎週そのひとつのセクションを思い返していくワークである。本書では年齢を12等分と紹介しているが、高校生の場合は4当分くらいでちょうど良いだろう。最初の週は、0歳~4歳、次週は5歳~8歳、次週は9歳~12歳、最後の週は13歳から今の年齢までとすると、ちょうど1ヶ月でこれまでの人生を振り返ることができる。

このワークの目的は、僕がツリーハウスを建てたいと思っていたように、失った夢を再訪することにある。失った夢に気付いた時、それを今でも探求したいと思えるのであれば、それを突き詰めるということ道も選択可能になる。

メモワール 第1週目に答える質問を紹介

 本書では12週分のメモワールの質問集が載っているが、この記事では最初の週で行うとされる質問集のみを紹介する。それに答えてみて効果的だと感じたならば、ぜひ本書を手にとってメモワールを続けてみてほしい。

<第1週のメモワール>

(中略)

年齢:0歳~_歳

① どこに住んでいましたか?

② 誰があなたの面倒を見ていましたか?

③ ペットを飼っていましたか?

④ あなたの最初の記憶はなんですか?

⑤ 好きな本は何でしたか?

⑥ 好きなおもちゃは何でしたか?

⑦ この時期にかいだ、印象的な匂いはどんな匂いでしたか?

⑧ 大好きな食べ物は何でしたか?

⑨ この時期に聞いた、印象的な音(声、歌、汽笛、犬の吠え声など)はどんな音でしたか?

⑩ この時期、よくいた場所はどんな場所ですか?このほか、どんな思い出がありますか?

⑪ ①~⑩の中で、アーティスト・デートで探求したいものはありますか?(焼きたてのパンの匂いを思い出したなら、パン屋でアーティスト・デートをするなど)

 このメモワールは、自分の五感に紐づけて考えることで、遥か昔のことも思い出しやすくしてくれているのかもしれない。4歳までのことなど簡単に思い出すことはできないはずなのに、この質問を見ていると意外と思い出されてくるのが不思議だ。この質問でも良いので、全てのセクションで返答を試してみると、自分が忘れていた将来の夢を思い起こすことができるかもしれない。

まとめと本の紹介

「いくつになっても、『ずっとやりたかったこと』をやりなさい。」を参考に「やりたいこと」を発見するまでのプロセスを2つほど紹介した。この記事で紹介した方法は、やりたいことを見つけるということに関しては、いつやっても遅いということはない。しかし総合型選抜の時期は決まっているため、受験を意識するのであれば、高校1年生か2年生の時期にこれらワークをやっておくことをおすすめする。

「いくつになっても、『ずっとやりたかったこと』をやりなさい。」↓

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