(小論文のポイント解説)
問いの読解をする時のポイントを解説
小論文で出題される「問題」は、丁寧に読解していくと、
自分が書く小論が書きやすくなったり、また構成を立てやすくなったり、
さらには大きな失点を防げるようになったりする。
それくらい問いの読解って、実はめっっちゃ大切だったりする。
そこでこの記事では、そんな問いの読解のポイントを紹介していく。
問いの読解の目的
小論文の問いの読解は、
「小論文の中に絶対に含めないといけない要素を発見する」ことを目的にやっていくと、うまく行きやすくなる。
小論文という科目は「出題された問題に対して、文章で答えていく科目」なので、問いの中に「文章の中で書いて欲しいこと」が示されていることがほとんどである。
だからこそ問題を、
「何について書けって言ってんだ?」と考えながら読解していこう。
「小論文の中に絶対に含めないといけない要素」を発見するには?
小論文の中に絶対に含めないといけない要素を問題から見つけるポイントは、
「問いの中の5W1Hに気付く」というポイントに集約される。
問いの中の5W1Hに気付く
「美味しい中華料理屋って『どこ(Where)』にありますか?」
日常会話でも人に何かを聞きたい時、5W1Hの疑問詞を使って聞くだろう。
5W1Hとは、
Who(だれが)/ When(いつ)
Where(どこで)/ What(なにを)
Why(なぜ)/ How(どのように)を指し示す言葉である。
質問をするときは、質問者の特に聞きたい情報がこの5W1Hに置き換わる。
この中華料理屋さんを聞いている質問は、中華料理屋は『どこか』を聞こうとしているので、この質問で聞きたい情報は「Where」→「どこにあるか」であることがわかる。
この質問がされた時に、美味しい料理屋さんがある「場所」を答えれば、それは質問に答えられている(Whereの部分を補う回答ができている)ことになるが、それ以外の「what」、「who」などを答えるような回答をしてしまった場合は、質問者からすると「それは聞いてないんだよなあ」となってしまうのは感覚的にもわかると思う。
例えば、
「何が美味しいって、餃子がうまいんすよ!まじで!!」とか、
「そこの店主が実は中国で5年も修行してて…」みたいな返答だと、
「What」や「who」に対する返答になってしまっていて、
質問者が聞いている「where」への返答になっていない。
これと同じように、小論文の問いの中でも、問題の中で5H1Hになっている部分を探してみると、答えないといけないこと(小論文の中に含めないといけないこと)が見えてくるようになる。
要するに、問いの中に含まれる5W1Hを見れば、何が聞かれてるのかわかる。
問題の中の5W1Hに気づけたら、アンダーラインを引く
出題されている問いの中で、5W1Hになっている部分を見つけたら、その部分全てに線を引いていこう。
それら全てに返答できて初めて「問いに答えられている小論」になる。
問題の中には「筆者の考えを踏まえた上で」のように、
「5W1Hの形にはなっていないんだけど大事そう…」みたいな文もある。
しかしこれも丁寧に文章を読解していくと、この文章は筆者の考えという
「資料文を読まないとわからない何かを踏まえること」を提示してきているので、
「筆者の考えを踏まえた上で」は、
[筆者の考えは『何か(what)』を踏まえた上で」と言い換えられる。
このように、文章上では5W1Hになっていない文章でも、
実は5W1Hの形に書き換えられる「隠れた出題」があるケースもある。
それらも見抜けるように、問いの読解を進めてみよう。
そして与えられた字数でそれら出題に答え切るためには、小論文をどう構成すべきかを考えていくと、構成も立てやすくなるし、小論文の内容も濃くすることができるようになる。
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最後に例題
最後に例題を通して、小論文の問いの読解を練習してみよう。
資料4の中で取り上げられた「ネットと新聞の賭け」について、2007年に君はどちらが勝つと予想するか。自分の立場を明示して、その理由を500字以内で論じなさい。
(2006年 慶應義塾大学入学試験問題 総合政策学部 小論文 問2より抜粋)
この問いで考えてみよう。この問いを5W1Hが見えやすい形で言い換えてみると、
資料4の中で取り上げられた「ネットと新聞の賭け」について、2007年に君はどちらが(which)勝つと予想するか。自分の立場は(どちらなのかーwhich)を明示して、その理由(それはなぜかーwhy)を500字以内で論じなさい。
このように読解してみると小論文の中で答えるべきは、
1:Which
2007年にネットと新聞、どちらが勝つと予想するか。
自分の立場を明示するということ。
2:Why
そう考えた理由を示す、それはなぜかを論ずること。
この2点だと見えてくる。字数も500字しかないので、
構成としては僕なら、最初の50字くらいで自分の立場を明示し「which」に答え、その後、その考えに至った理由を450字くらい使って答えることで「why」に答えていく構成にする。
まとめ
問いの読解のポイントについて、この記事では紹介した。
この記事の主張をまとめると、
問いの中に記載された5W1Hの部分、また直接的には5W1Hが記載されていない「隠れた5W1H」を見つける。それ全てに線を引いておく。
そしてその「5W1H」全てに答えられる構成を作っていくことで、
見当違いなことを書いてしまうことによる大きな失点を防いだり、また純粋に聞いていることに直接的に答えられる小論文をかけるようになるという主張だった。
小論文の勉強の参考にしてもらえると嬉しく思う。
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