AO/総合型選抜を受ける
メリット/デメリットは?
自分にあった受験戦略を練ろう!
近年、総合型選抜入試(AO入試)を受ける人が増加している中で「自分も受けようかな?」なんて考える人は多いはずです。
チャンスが増えるのであれば受けるだけ受けておきたい!と思う人もいるでしょう。
しかし、総合型選抜入試は、従来のペーパーテストでの一発試験入試とは大幅に特徴が異なります。
軽い気持ちで手を出すと、あれもこれもと手につかなくなり、受験戦略を失敗してしまう恐れもあります。
だからこそ、総合型選抜入試(AO入試)を受ける上でそのメリット、デメリットを理解しておくことは大変重要です。
今回は、総合型選抜入試(AO 入試)を受ける上でのメリット、デメリットについてそれぞれ解説していきます!
メリット
①チャンスを増やせる
大学受験の回数を増やすことで、合格のチャンスを増やせることは大きなメリットです。
AO入試を受けたら、一般受験は受けられない、なんてことは基本的にはないので、志望大学がAO入試を行っている場合、合格のチャンスを倍増やすことができます。
AO入試は多くの場合、早期に合否が決まります。早ければ秋(10月終わりくらい)、遅くても12月中には結果が出る場合が多いです。(国公立大学の行う総合型選抜入試や、早稲田大学などの一部大学で行われる共通テストの結果が必要とされる入試の場合は別)
中には、慶應SFCのようにAO入試でも夏AO、秋AOという2回のチャンスを設けている大学もあり、一般受験も含めれば計3回の受験が可能です。
したがって、受験のチャンスを増やすことで、自身の可能性を最大限に広げることができます。
②学力以外に自分のやってきたことを最大限活かせる
一般受験は、基本的には当日の学力試験一本勝負です。
他方で、AO入試は、学力のみならず、その人の熱意や人柄、課外活動の活動経歴、部活動の成績、評定平均など、包括的な判断基準を持って合否が決定されます。
したがって、「学力以外にも自分にはたくさんの強みがある!」という人は、AO入試に挑戦することの方が、一般受験よりも適性が高いかもしれません。
③自分のこれからの人生や、キャリアについて本気で考える機会になる
近年の日本社会は「学歴社会」と言われるように、大学に入学することがさも人生のゴールであるかのように錯覚されてしまっています。
〇〇大学に行きたい!ということをゴールとして、これまでの人生を歩んできた高校生は、大学に入って以降、自分の人生の方向性を見失ってしまうのです。
その結果、巷では「大学は人生の夏休み」と言ったように、大学は遊んで、社会人になる前に就活を頑張れば良い、と言ったような誤った噂が流れてしまっています。
本来、大学とは、社会に出る前の段階で、自身の夢ややりたいことの実現に向けてそのためのスキルや勉強をする期間のはずです。
しかし、自身の本当に興味のあることや、学びたいことが不明確なまま、目の前にある試験勉強にばかり囚われ、志望大学や学部を選んでしまうと大学生活が実りのあるものにならないでしょう。
総合型選抜入試(AO入試)では、自分の「やりたい事」に合わせて、自ら志望大学や志望学部を選んでいく入試方式です。
だからこそ、受験をきっかけに、本気で自身のキャリアに向き合うことは、今後の長い人生をより実りのあるものにするために考える良い期間になるでしょう。
④時代の流れにあっている
現在の時代は、AIに仕事が取られる、グローバリゼーションといったように、社会全体が大きく変動しています。
2020年「教育改革」は、時代が要請している人材が変化してきたことを表しています。
教育改革によって、これからの世代の人々は、自身の興味関心や、問題意識に合わせて身につけた知識を「何に、どのように生かすのか」を自主的に発見できる人材でなければなりません。
総合型選抜(AO入試)は、自身の「やりたいこと、関心のあること」に合わせて自主的に考え、答えのない問題に取り組んでいく入試方式です。
その意味では、これからの時代に必要な能力が、総合型選抜(AO入試)を通して養われるかもしれません。
[adchord]デメリット
①合格可能性が不透明
合格可能性が不透明であることは、AO入試の大きなデメリットです。
一般受験であれば、模試の偏差値などを参考に、一定程度自分がどれくらいのレベルの大学、学部に行けるのかどうかを予想することができます。
一方で、総合型選抜(AO入試)では、どんなに模試の偏差値が高かったとしても、不合格になってしまう可能性があります。
総合型選抜(AO入試)は、大学の取りたい人材(アドミッションポリシー )に合わせて、学生を採るシステムです。
したがって、どんなに勉強ができたとしても、「大学の欲しい人物像」とマッチしていなければ不合格になってしまいます。
この「大学の欲しい人物像」というのは、大学側が出している3つのポリシー*を見れば大まかな傾向を掴むことはできますが、実際にそれを判断するのは大学の教授陣のため、人によって判断軸が微妙に異なったりしてしまいます。
このような曖昧さが働くため、「必ず合格するだろう」と言った予想がたてづらいというデメリットがあります。
*3つのポリシーとは、学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)」「教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)」「入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)」を指す。
②一般受験との両立が難しい
総合型選抜(AO入試)は、合格可能性が不透明なため、一般受験と両立しながら勉強する人が多いです。
しかし、総合型選抜(AO入試)と一般受験では、対策内容が大きく異なります。
総合型選抜(AO入試)では、書類対策(志望理由書、自己PR書類の作成、面接対策)などがメインになるのに対して、一般受験では、例えば英語の科目では単語を覚えて過去問を解きます。
そうなったときに、一般受験と、総合型選抜試験、両方の対策を行うことは、単純にやることが倍くらいに増えてしまうのです。
総合型選抜(AO入試)は、早期に合格が決まると言っても、逆に年内までは、総合型選抜(AO入試)のための対策に時間を取られてしまいます。
近年では、総合型選抜(AO入試)のみを受験する人も増えており、世間でも関心が集まっていることから、片手間で書類を準備すれば合格できる、と言った簡単なものではありません。
したがって、いざ「総合型選抜(AO入試)に挑戦する」と決めたからには、それ相応の対策期間が必要となります。
そうなったとき、一般受験のための勉強をする時間が取れず、結果、「両方とも中途半端になる」と言った自体だけは避けなければなりません。
そうならないためにも、自分に合わせた「受験戦略」を練ることがとても重要です。
例えば、「一般受験では国立も私立も受けようと思っていたけれど、AO受験もするから、一般受験では私立だけにしよう!」
と言ったような、自分の目的意識に合わせて「やらなければならないことを減らす」工夫が重要となってきます。
③対策が他と結びつかない
「志望理由書を作ったとき、同じ内容で、他の大学の総合型選抜(AO入試)に出願できるのか?」
と言った質問の答えは
「大体の場合、同じ名前の学部、学科であれば出願できる」
というのが答えです。
例えば、あなたの志望理由書のテーマが”貧困”であったときに、そのテーマは法律学や、政治学、社会学を学べる学科などが最適でしょう。
一方で、同じテーマで商学部、経営学部などを受験することは少々無理があります。
テーマを変更することも可能ですが、自分の専門分野を2つ以上作ることは、想像以上に大変なことなのであまりおすすめしません。
したがって、総合型選抜(AO入試)を受ける場合の制約として「自分の志望理由書のテーマがマッチした学部、学科しか受験することができない」という点があることは覚えておいた方が良いでしょう。
ブランド名で大学を選ぶ人には不向き
上記の理由から、「どうしても〇〇大学に行きたい!」という希望がある人には総合型選抜(AO入試)は少し不向きかもしれません。
なぜなら、一般受験の場合は、〇〇大学の経済学部、法学部、商学部などを併願することができますが、総合型選抜(AO入試)の場合では、”貧困”をメインで学べる学部は基本的には1つ、もしくは2つ程度しかないからです。
併願をする場合は、同じ大学ではなく、他大学の”貧困”を学べるど学部を受験することが多くなります。
④まだまだ総合型選抜(AO入試)での枠は少ない
総合型選抜(AO入試)が近年、注目されている、と言ってもまだまだその枠は少ないことが現状です。
文部科学省のデータによると、一般受験の枠は全体募集人数の50%〜60%程度であるのに対して、総合型選抜の割合はわずか10%程度しかありません。(残りの30%は指定校推薦枠)
実際に、MARCH(明治、青山、立教、中央、法政)と言った上位大学でも、各学部での総合型選抜枠での募集人数は5名から多くても30名程度です。
したがって、かなり狭き門での戦いとなります。
早稲田大学の文学部のAO方式なんて3名ととても少ないです。
総合型選抜(AO入試)の枠が多いことで有名なのは慶應大学で、慶應法学部FIT入試では160名程度、SFCでは総合政策学部、環境情報学部合わせて300名、文学部は120名と多くの比較的枠は多いです。
一方で、年々倍率も高くなっており、難易度も一般受験とは遜色ないものなので、決して安心できる入試ではないことが現状です。
⑤むしろ長期的な対策が必要となる
一般受験よりも長期的な対策が必要なことも総合型選抜(AO入試)の特徴です。
というのは、総合型選抜(AO入試)は、受験者の熱意や人柄、勉強したい内容の明確さを高く評価します。
そのため、これまでのボランティア活動での活動時間の長さや多さ、部活動での成績、英語力、研究活動の実績など、短期間では覆すことが難しい項目を評価指標としています。
そのような強みがある人には総合型選抜(AO入試)は向いていると言えます。一方で、それがない人が闇雲に始めるリスクは高いと言えるでしょう。
⑥そもそも受験資格がない場合も、、
そもそも総合型選抜(AO入試)を受ける資格があるかどうかは重要です。
基本的に、多くの大学、学部では以下の2つの評価項目が課せられている場合が多いです。
①評定平均
②英語資格
志望する学部、学科によって、その基準はまちまちですが、MARCH以上の大学をAO入試で目指そうと思ったら、最低でも評定4.0 、英検2級程度の資格は必要とされる場合が多いです。
出願資格に関しては、大学の学部によってもかなり細かく規定がなされているので、自身の志望先大学のホームページなどできちんと確認しましょう。
[adchord]総合型選抜入試(AO入試)のよくある誤解
最後に、総合型選抜(AO入試)に見られるよくある誤解についてお話しします。
総合型選抜入試は学力試験がないから楽に受けられる
「学力試験がないから、勉強しなくても受かる」というのは大きな誤解です。
総合型選抜(AO入試)でも、合格するには、たくさんの勉強や努力が必要です。
ただ、その努力の方向性が一般受験とは異なるだけです。
一般受験では、目の前にある問題を解けるようになるために努力します。
一方で、総合型選抜(AO入試)では、自身の学びを深めるために、たくさんの本を読んだり、膨大な書類を用意したり、フィールドワークを行ったりとやることはたくさんあるのです。
決してこれらは楽なことではありません。
しかし、「一般受験よりも総合型選抜(AO入試)の方が適性がある」ということはあると思います。
その意味では自分にあった受験方式を選べるようによく考えて決断することが良いでしょう。
受かるかどうかは運である
「総合型選抜(AO入試)は、結局受かるかどうかは運だ」
これもよく言われることですが、間違いです。
「絶対に受かる」という人は存在しないだけで、実際に合格する人たちにはそれぞれしっかりと理由があります。
それは、これまでずっと努力を重ね、学校の評定平均が高かったり、自身の研究テーマを深めるために行動を重ねたり、文武両道を成し遂げたりと様々ですが、その人たちは受かるだけの努力をしています。
まとめ
総合型選抜(AO入試)は決して楽な入試ではありません。一方で、総合型選抜(AO入試)に適性のある人はいます。その上で、自分にあった大学や学部を選ぶこともとても大切です。
ここまで話したメリット、デメリットを踏まえて、自身の受験戦略をしっかりと考えてみましょう!
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