質の高いアイディアにひとりで辿り着くために「心がけるポイント」を解説

質の高いアイディアに

ひとりで辿り着くために

「心がけるポイント」を解説

課題解決のためのアイディアを考えないといけない時や、

志望理由の勉強が行き詰まってしまって、テーマを変えようと思っているときに、

「アイディアがでない、どうしよう…」

と悩んでしまっている人はいないだろうか。

そのような時は「不完全でも良いからアイディアを出し続けてみる」ということを繰り返していくと、質の良いアイディアが結果的に発想されるということがある。「それはなぜか」、「またそれを効果的に実践するための一人でアイディアを沸かせるときのポイント」などについて、この記事では紹介していく。

アイディアが思いつけないのはなぜか

結論から言うと、アイディアがうまく思いつけないのは「アイディアの自己抑制」と言う働きが生まれてしまっているからかもしれない。

アイディアの自己抑制とは、完璧なアイディアにたどり着くまで不完全なアイディア(何かしら問題のあるアイディア)をアウトプットしない、または自分で思いついた不完全なアイディアを認めない働きを意味する。

その働きを抑え、ときには「不完全でも良いからアイディアを出し続けてみる」ということを繰り返していくと、質の良いアイディアが結果的に発想されるということがある。

拡散的思考が働きやすいと、アイディアは生まれやすくなる

アイディアを考えるときに必要な脳の働きを、

アメリカの心理学者ジョイ・ギルフォードは「拡散的思考」と名付けている。

拡散的思考とは簡単にいうと、ある情報からいろいろ考えを巡らせて、新たな考え(アイディア、ひらめき、想像など)を生み出していく考え方のことを指す。

つまりアイディアを生み出したいのであれば、拡散的思考がうまく働きやすい状況が望ましいのだが、この拡散的思考は教育を受けるほどに働かなくなる傾向にあることがわかっている。日本オペレーションズ・リサーチ学会の資料では、この拡散的思考に関して、次のように述べている。

人々は教育を受け成人になるにしたがって,創造性に必要とされる拡散的思考能力が衰え,論理的思考能力のほうが強くなると述べたが,このため,習慣的に発言の内容にも自己抑制の態度が身につくので,この原則はこの抑制をとりのぞくためのものである。(中略)創造性の源は,何でも興味を示し,何にでも素朴に疑問を抱くわれわれの幼年期の態度である

(日本オペレーションズ・リサーチ学会「創造性研究の歴史と諸発想法(Ⅱ)」より抜粋)

拡散的思考が教育を受けるほどに働かなくなる理由を説明

論理的思考がアイディアの芽を摘むという罠

引用した「日本オペレーションズ・リサーチ学会の資料」で語られる、成人になるほどに向上が見込まれる「論理的思考能力」というのは簡単にいうと、

「ただ唯一の正解に、いかに早くたどり着くかをつかさどる働き」のことを指す。

だからこそ、何かしら問題のあるアイディア(不完全なアイディア)しか発想できていないときは、そのアイディアは課題に対して正解ではないので、

「そのアイディアじゃ解決できないから、ダメ!」

という判断が自分の中で、論理的に下されることがある。

このように論理的に考えられるようになった脳は、不完全なアイディアをアウトプットする前に評価して、アウトプットすることを止めてしまう「アイディアの自己抑制」という役割を無意識的に発生させてしまうことがあると言える。

「アイディアの自己抑制」はなぜダメなの?

「アイディア」が発想しやすくなる拡散的思考では、いろんな情報が頭に入ってくることにより様々な考えが巡らされていくため「不完全なアイディア」のアウトプットが止まることはあまり良しとされない。なぜならアウトプットされた情報を元に考えるという発想手段が取れなくなり、発想の元となる情報がアップデートされていかないからである。

考える元となる情報がアップデートされないと、発想の元となる材料があまり変わらないという状況が続いてしまう。それは色々な情報が頭をめぐる可能性を妨げるため、それだけ発想の機会を減少させると言える。

不完全なアイディアは、発想の元となる情報をアップデートしてくれる

拡散的思考が働きやすい状態には、何らかの新たな情報が脳にインプットされることにより、その情報をもとに新たな発想が生まれたり、一度生み出されたアイディアをよりアップグレードするような心理作用が及ぼされることがある。この心理作用のことを、集団でアイディアを発想するときの法則「ブレインストーミング」では「結合改善」と呼んだりする。

つまり、不完全なアイディアをあえてアウトプットすることで「新しい情報」を産み、

新しく発想できる状況を作り出すということが大切だ。

「アイディアの自己抑制」を意識的に止める

ここまでの話を踏まえると、拡散的思考が働きやすい状態を作るには、論理思考による「アイディアの自己抑制」機能を防いだほうが良いということがわかる。

「アイディアの自己抑制」を意識的に止め、自分で生み出した「不完全なアイディア」をもとに発想するという道を残しておくことで、拡散的思考は働きやすくなると言える。

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アイディアの自己抑制を防ぐためのポイント

それでは最後にアイディアの自己抑制を防ぐためのポイントを2つ紹介する。

1:最終的に質の高いアイディアが生み出されるまでは、アイディアの批判(善し悪しの判断)はしない

これはオズボーンが考案した集団でのアイディア発想の法則「ブレインストーミング」でも語られる内容だが、アイディアを批判するという視点が働くと「アイディアがまだ不完全だからアウトプットしない」という理由でのアイディア抑制が働いてしまうことがある。

ジュリアキャメロン著である「いくつになっても、『ずっとやりたかったこと』をやりなさい。」では、自分のやりたいことや、思いついたアイディアを自分で批判する精神のことを「内なる検閲官」と呼んでいるが、自分のアイディアに関して取り締まろうとする意識を持つのではなく、思いついたらすぐに書き留めるくらいの意識で「不完全なアイディア」を大切にする意識を持とう。

2:アウトプットしたアイディアをもとに、アップデートを重ねる

これは先ほど説明した通りだが、自分が生み出した「不完全なアイディア」をどうアップデートできるかを考える、また、それから想像を膨らませていくことで「質の良いアイディア」が発想されることがある。

基本的にアイディアが脳内に生まれてから消えてしまうまでの時間はかなり短いと言われている。どんなに良いアイディアも、書き留める前に消えてしまえば、それをもとに新たな発想をするという道は途絶えてしまう。

だからこそ「基本的には思いついたらすぐにアウトプット」

そして「そのアウトプットを元にも考えていく」というのを大切にしよう。

まとめ

この記事では、アイディアを出す必要があるときに、そのアイディアの芽を摘んでしまう「アイディアの自己抑制」がいかにして発生するか、またそれをどのように防ぎ、質の高いアイディアを思いつける可能性を高められるかについて解説した。

これまで多くの創造性研究がされてきたが、基本的に質の良いアイディアが生み出されるときの思考過程については、今だにわかっていることが少ない。それゆえ、これまで良いとされてきた発想法が最新の学説では否定されるということもよく起こる。

だからこそ、アイディアを発想させる方法論に関しては、いろいろな考え方を知り、様々試してみるというスタンスが大切だと私は思っている。

とにかく自分のアイディアが不完全だという理由で、アウトプットする前に脳内削除するという行為はやめておこう。自分が思いついたアイディアをベースに「質の高いアイディア」が思いつくということもあることを理解しておくだけで、アイディアが発想される機会は増加する可能性がある。

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